ある本の発刊が決まった初夏の一日
今日、ある本の発刊が決まりました。
ポイントは、「〇〇の制度」です。
同時に、いろいろな業界で新たなビジネスが発生します。
出版も同様です。情報を欲している人がいるのだから、
出版業界にとっては「かきいれ時」なわけです。
なので、いろいろな出版社が同じテーマに参入します。
で、早く出版すればいいかというと、そうでもありません。
いつ、関係者がその情報を欲するか、がポイントになります。
早めに発刊すると、関係者がその本を買おうとしたときに
「古い情報」と認識されてしまうためです。
でも、遅く発刊すると、すでに他社から発刊された本で
書店の本棚が埋まってしまう。加えて、ニーズの波が去ってしまう。
その様相は、もはやチキンレースです。
「需要がなくなる」という崖に向けて、どこでブレーキを踏む(発刊する)か――。
このテーマの本をやると公言すると、このチキンレースに影響を
与えてしまうので、言うとめちゃくちゃ怒られます。
――と、ここで日記に戻ります。
今日出勤してやるべきことは、その早すぎず、遅すぎずの
絶妙のタイミングに対して書いてくれる著者を見つけることです。
まず、知り合いの著者(専門家)の一人に電話します。
本テーマについてのおおよそ状況を把握するための会話を交わし、
「誰もつかまらなかったら、私が書きますよ」という回答を頂戴し、
電話を切ります。
が、「できるなら書きたくない」という心の声が強く伝わってくるので、
次の著者(専門家)にメールします。
どうやら、そのテーマに対して社内の体制をとろうとしていたとのこと。
「この人に頼もう」と決断し、具体的な進行、内容について
メールを何回か往復させます。
メールを往復させる最中に、出版社にもメドがたったと
連絡を入れいます。
専門家からの情報を交えて、以降の本づくりの流れを確認します。
そのうち、専門家からの返信を受け、発刊月のメドを伝え、
執筆体制を確認します。
おおよそ座組みは固まったので、これで本はつくれるだろう、
売れるタイミングで、売れる内容でつくれるだろうと思うわけですが、
そう思っているのは、ここまでの日記の登場人物のみです。
先方(出版社)の発刊の決裁をとる必要があります。
誰でもわかるように、どういう制度が誕生し、どういう内容の
本になるのかを説明しなければなりません。
というわけで企画書を書きます。
が、内容をそこまで私も把握しているわけではないので、
専門家に構成の相談をメールします。
要するに企画は「決まった」のですが、正確には発刊の決裁が
下りているわけではなく、そもそも企画書すら書いていない、
そんな微妙な状況を残しつつ、
ここでひとまず本件について今日の作業は終了です。
そんなやりとりをしている間に別の本の作業を進めるわけですが、
なにをしていたか、よくわからない1日でした。
強いて言えば、バタバタしてました。
そろそろ梅雨の時期ですね。古傷が痛む……ってほどの傷は
ないのですが、憂鬱です。